

インターネットの普及が進むにつれて、オンラインショップも大きなチャネルとして確立されてきた。その中でも、独自のシステムを構築してオーダーメイド家具などの販売に成功しているオンラインショップがある。運営しているのは、デザイン事務所「アドリアカンパニー」だ。代表の岩田浩司氏は、約16年間、いくつかの家具メーカーで設計・デザインを手掛けてきたが、昨年4月に独立。家具のデザイン・設計をはじめ、室内空間コーディネイトなどの活動を行うほか、独自のブランド「adoria」を立ち上げ、9月にオンラインショップをスタートさせた。
そのシステムとはまず、ウェブ上に表示された家具のひな形から、サイズや色、素材を自由に選んでメールオーダーすると、アドリアカンパニーから専門的なアドバイスと見積り、オーダーシートがメールで送付される。諸手続の後、2週間ほどで納品される際も、提携する家具専門の配送会社が自宅内の指定場所まで運び、梱包材などをすべて回収。 注文者の確認を得て配達完了としているのである。その誠実な対応が信頼感につながっているのか、開業以来、一度の返品もクレームもないという。
しかも、「adoria」の一番の売りは、一つひとつの家具に職人のこだわりが生きながら、リーズナブルな価格で提供されること。それを可能にしたのは、岩田氏がこれまでに築いてきた30社以上の工場の職人たちとのネットワークだ。「不況だといっても、大型テレビが売れ行きを伸ばしているように、家の中の快適性を重視する傾向は強まり、また、“ロハス”(※)という言葉に表されるように、環境や体に良いことにこだわる方も増えています。だから、私は国産の高品質の家具を本物志向の方々に向けて提供したいのです」と岩田氏は語る。

そして、今後の展開として注目すべきは、「クリック&モルタル」。つまり、バーチャルショップとリアルショップをうまく連携させることで、商品を購入できる窓口を広げようというもの。といっても、アドリアカンパニーが自前のショップを立ち上げるのではない。商圏の設定や立地などのリスクがあるからだ。異業種のインテリア雑貨ショップをはじめ、アパレルやハウスメーカーなど、セグメントされた顧客を持つ企業と提携し、トータルなライフスタイル提案型販売の相乗効果をねらう。
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「メーカーに勤めている時、エンドユーザーの声を直接聞くことができなくて、もどかしい思いをしました。今はメールででも、直接コミュニケーションできることが嬉しい。日本人には日本人に合った家具がありますし、ソファ一つでも健康に与える影響も大きい 。そうした情報を発信していくことで、単なる家具メーカーとは一線を画したい」と語る岩田氏の夢は、いつか「adoria」を海外にも通じるブランドに育て上げることだ。
さて、これら3つの事例から、勝っている個店がどういうものか、おわかりいただけただろうか。総括して、北口サブマネージャーは「品揃えと価格で大手に太刀打ちできないのなら、自分の一番の“売り”をいち早く見つけ、決断し、実行することです。以前に関わった酒屋さんは、オーナーが得意とするワインの品揃えでは地域のどこにも負けないお店をめざし、ワインの健康的効用や合う料理などの情報も発信するようになりました。自分の強みというのには、客観的視点が必要ですから、例えば大阪産業振興機構のアドバイザー制度などの公的機関のサービスを上手に活用するのも手です。それによって、自分に対する自信を取り戻してほしいですね」と語った。
※ロハス(LOHAS)
「Life styles Of Health And Sustainability」の頭文字を取った造語で、「ココロとカラダ、地球にやさしいライフスタイル」を表す。
 約16年間の家具メーカーの勤務を経て、平成16年4月、アドリアカンパニーを設立。9月には、オンラインショップを開業。独自の「オーダー方式のソファ・木工家具の企画・開発・販売事業」に対して、デザイン事務所としては初めて「テイクオフ大阪21」の認定を受ける。
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●オーダーから配送・設置まで、高品質な家具を適正価格で販売するシステムを構築
●インテリア雑貨ショップなど、異業種との提携による「クリック&モルタル」の実践
●ファブリックデザイナーとの提携など、オリジナル性の高い商品の企画・開発
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