
今年1月に開店したばかりの「菓子工房 なちゅらぶ」は、地下鉄御堂筋線「中百舌鳥駅」のすぐ近くにある。代表の濱田真由子氏の「心とからだにやさしいお菓子を」という思い通り、バターや牛乳、卵などの動物性素材の使用を控え、代用として豆乳やニガリ、米粉、米油、キビ砂糖など日本に昔からある素材にこだわった洋菓子が店頭に並ぶ。
小さい頃からもの作りが大好きだったという濱田氏は、製菓学校を経て、リゾートホテルや本格的なフランス料理店などでデザート作りを学ぶ。そうした中でのあるフランス人シェフとの出会いが、濱田氏に大きな影響を与えたという。彼の野菜と果物の垣根も、和と洋の垣根もない斬新なデザート作りでは、日本の素材の良さが十分に活かされていた。食の欧風化や簡素化が進むなかで、もう一度原点に戻り、日本の素材をもっと身近に感じてもらえたら。そのようにお菓子作りのコンセプトを決めた濱田氏は、風味を出すバターの代わりに、味噌や醤油、木の実などでカバーをするといった工夫を重ねた。「それは苦労ではなく、自ら新しい素材の発見を楽しんでいるんです」と濱田氏。

しかし、開業するにあたっては、和素材を使った自然派洋菓子という特化した商品が、大阪の中心からはずれた立地で売れるのか、濱田氏にも不安はあったという。しかし、中途半端なことはしないという決断のもと、開店したその日、本人も予想外だったことがおこった。店の前に1時間待ちの長い列ができ、 ついには販売する商品さえ尽きたのである。それからもしばらく、商品が売り切れる日々が続いた。
| |

大阪府堺市中百舌鳥町5-652-1和香ビル102号
TEL & FAX 072-255-7509
営業時間:
午前11時〜午後7時30分
(毎週日・月曜日定休) |
お客様の多くは、アレルギーに悩む子どもさんを抱えるお母さんたちだったのだ。「これまでの洋菓子が高カロリー、高コレステロールであることなどから、食べたくても食べられなかったご高齢者にも味わっていただける洋菓子をと思っていましたが、食物アレルギーに悩んでいる方がこれほど多いなんて、思いもよりませんでした」と濱田氏。北口サブマネージャーは「もし、なちゅらぶさんが繁華街にあったとしたら、逆に数ある洋菓子屋の中に埋もれてしまったかも。しっかりとしたコンセプトを持っていることが、多くのリピーターを作り、大きな支持を得ている理由でしょう」と語る。
そして、濱田さんがこだわったもう一つのポイント。作り手の顔が見える店づくりだ。「店頭からショーケース越しに、お菓子作りの全てを見てもらえるようにしました。食材に関心のあるお客様と話が盛り上がることもあり、 お客様の声がストレートに反映できる環境は整えられていると思います」と濱田氏。「よくお客様とのコミュニケーションが大切と言いますが、それは愛想が良く、何でも言うことをきくということではないんですね。濱田さんのように、自分の揺るがない価値観がベースにあって、それに対するお客様からの反応を受け入れ、考え、次の商品やサービスに反映していくことが大切なんです」と北口サブマネージャーも語る。
では次に、独自のオンラインショップのシステムを構築した事例を紹介しよう。
 リゾートホテルやフランス料理店、洋菓子屋などで、製造から販売のノウハウを学んだ後、今年1月に「なちゅらぶ」を開業。近々、インターネットを通じて全国にゆばぷりんを販売する予定。夢は、いつか大自然の中に菓子工房を開くこと。そして、生産者と消費者の交流を通じて、本当に体によい素材とは何かを消費者に伝えていけたらと考えている。
 |
|
●「心とからだにやさしい」という明確な商品コンセプト
●お客様の声がストレートに届く店づくり
●高付加価値な商品をお手頃価格で提供
| |
 |
|